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MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011 実走(後編)

MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011 実走(前編)からの続き

走り始めたものの、結構脚にきてるわ、まだ筋肉にエネルギーいかんわでまったりペースで回復を待ちながら無理せず進む。
レースを走っている意識は皆無。むしろ景観のいい場所をサイクリングしている感覚。
やはり前後に人は見えない。抜かれなくなったのでペースダウンはしていないようだが、かと言って前の人が見えてくるわけでもない。
まさに無心。絶景に時折心動かしつつ進む。
こんな自転車ライドいいねぇ。

たぶん、先頭では今頃熱い走りが展開されているんだろうな…とか、もしかするとゴールしているかも…と思い巡らして見たり。
@HEIZOSUNさんもゴールしているんだろうか…

しばらく走ったあと、トイレに行きたくなる。
そしてしばらく行くとガスって白っぽい空気の中、左手に立派な山小屋風のトイレ小屋が見えたので停車(多分70kmぐらいの場所)。
小便器のまえに立って、立ったまま軽く寝落ち。
さすがにこんなことは今まで経験したことない。
思った以上に疲れているんだと実感。

庇(ひさし)の下、休憩スペースのベンチで登山?ハイキングの男女がおやつを広げている。
つかつかと歩み寄り無言でそれをつかんで口へ。
自分にはそれを制止させないほどの疲労感オーラを出していたという自信はあったw。
次はりんご。
Are you tired?
見りゃわかるだろと言わんばかりにうなづく。
するとどんどん食べ物が出てきた。
りんご向いてくれるわ、夏みかん向いてくれるわ…
女の子3人に囲まれて夏みかん攻めに…

お腹も満たされて元気出てきた。
標高もだいぶ高いのか相変わらず霧っぽくガスっている。
名前も知らないこの登山グループにはお礼のしようもない。
ヘルメットを取って深々とアタマを下げる。
そして、日本語でありがとうございました。
加油!
もう、がんばっちゃうよ。おじさんは。

清々しく、食べ物以上の元気をもらった感じでペダルを踏んだ。
スピードもちょっとは回復したのか前のライダーが見えてきてゆっくりだが一人一人パスして行くことができた。
そして、いったんグワっと下がる。
正直やめて欲しいw。どうせ同じだけ以上を登り返さなければならんのだ。
ちゃんと見てなかったけど2ー300mは下っただろうか。
寒くしないように、転ばないようにスピードを落としながら下った。

そして、登り返し(ぐへっ=こころが凹む音)。
そして、ここからがタロコの本領。
今までと違って妙に坂がきつい。
ブルべ的我慢の走りで一つ一つクリアして行くが自転車で走るというより、登山してる感じに近い。
10kmを切ってロングライド的にはもう着いたも同然というところから地獄のようなコースの始まりだった。

それまで知っている激坂はあっても幾つかで距離も短い。
ここではくる坂、出てくる坂がきつい。しかも、どんどんきつくなる。
一体、いくつあるんだ?
どこまで続くんだ?
得体のしれない不安が襲いかかる。
先が見えていれば頑張れるかもしれない、しかし、それがまったく見えない。
見えないと頑張りきれない。

何度目かの坂をクリアしたあと、その先に続く坂(というか壁)が見えてとうとうココロが音を立てて折れ足をついた。
休む間もなく降りて自転車を押す。
押しでもかなりの斜度。
頭の中=一体ここはどうなっているんだ???

早く終えたい、早く先へ進みたい…ので斜度がゆるくなるとすかさず乗車。
当然だが乗車出来るところは押すより早い。
ゴールまで3kmのサインボードが道においてある。
「まだ、3キロ も あんのか!」(「も」に大きな傍点)

我慢は続く。
1.5kmほど手前で下るポイント、えぇ気持ち良く下らせてもらう。
ああ、ちょっとは距離を消化できる…
と喜ぶのもつかの間、お約束の登り返し。
あと一キロのコースが森林限界を超えたすっきりした山肌に見えた。
「むーりー、無理、無理」
あの先がゴールかよ…
最後の1キロがさらに半端ない。脚という脚から全てをそぎ落とさんばかりの強烈な坂。

乗車無理なところから再び押しました。
押す人々が点々とコースに沿って見えます。
ハイキングしている人のようです。
その中に頑張って乗車している@HEIZOSUN。
なんとか追いついて、「どうしてこんなところにいるの? なんかあったんですか?」
「いや〜落車して、少し休んでた」
そんな言葉を交わしつつゴールは乗車で通過。
いやー。終わった。
終わったけど、すごかった。

スタート前から脚を削るハンデをこしらえて、舐めてかかってハンガーノック。
いろいろと反省点が多い。
それにしても、とんでもないコースである。
フロントトリプルで足を着くなんて…考えたこと無かったよ。

景観、距離、標高、コース内容。実にextreme。
ヒルクライムがあれだけ人気の日本人の参加者があれだけとは正直信じられない。
他はともかく、太魯閣は走って欲しい。
太魯閣走ってから、他のヒルクライムを語って欲しい。
普段ヒルクライムは積極的に出ないけどさ、心底そう思うよ。
そして、山岳ブルべ好きなブル部仲間にも言いたい。
足つきなしで完走してみて。
可能なら、写真とか撮っちゃって余裕見せてw。

しばらく時間が経ってみて改めて足つきが悔しい。
ハンガーノックも不本意だ。自分の準備不足が原因だが。
来年はサラ足でスタート地点に立ち、補給食万全、80kmまで脚を温存してゴールをアタックしてリベンジを果たしたい。

脚に覚えのある日本のヒルクライマー、BRMerには是非ともその目で太魯閣を見て、その脚で太魯閣を走ってもらいたいと思う。
自分の脚で走れる喜びを再認識できる場所だと思います。

トップ選手メインの動画ですが、お薦めです

山本和弘さんのMAXXIS太魯閣国際ヒルクライムレース参戦記

2位 才田直人さんの太魯閣国際ヒルクライム

3位 矢部周作さんの2011太魯閣國際登山賽/タロコ国際ヒルクライム

Cyclingtime.com 2011年瑪吉斯太魯閣國際登山賽:完賽專訪 冠軍雙連霸范永奕

Cyclingtime.com(日本語)MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011参戦レポート by Lee
天国…もしくは地獄へのヒルクライム

MAXXIS太魯閣国際ヒルクライム2011 実走(前編)

台湾の東海岸から標高3275mの武嶺(ウーリン)まで90kmを自転車で駆け上るヒルクライムにブルベ仲間の@HEIZOSUNさんと参加してきました。
http://taroko-hc.org/
http://bit.ly/uFdpRx

@HEIZOSUNのブログはhttp://roadracer.sblo.jp/

出走までのあれこれとか、レース後の台湾一周とか諸々トピックはありますが、あとで書くことにしてメインディッシュの実走の様子を記憶を頼りに書いておきたいと思います。


強風の向かい風、横風の中を重い荷物を背負って走り、もう少しでスタート地点を通り過ぎてしまうかもしれない危機もすんでの所で回避。時間ぎりぎりにスタート地点到着。
とりあえず、フロアポンプとドロップバッグ受付を探す。
交代で空気を入れたあとはドロップバッグだ。武嶺行きの受付を見つけて預ける。二人とも号砲がな鳴るまえに何とか間に合った。
それでも@HEIZOSUNはサドル高を調節したいとアーレンキー持ってないかとスタッフに尋ねてみるものの持っていない。自分もツール缶の中身はパンク修理関係のみ。
哀れ携帯ツールはドロップバッグの中である。

ともかく、二人揃って走れる状態でスタートラインに立てたことを喜ぶ。
海は荒れ狂い、ものすごい風だがそんなことも吹き飛ぶほどスタートに間に合ったことが嬉しかった。
明るくなりかけたなかでようやく周囲を見回す余裕ができる。
日本人の姿もちらほら。

そして、スタート!
一斉スタートで混雑する中、焦らず落ち着いて他のライダーと接触しないように周りに注意しながらスタートラインを超える。
コースはよくわからないので集団について行く。
一旦右へ90度カーブして大きな橋(太魯閣大橋)を越える。そして次は左へ。山の間から流れてくる川沿いに進んで行く。
ちょっとしたアップダウン、カーブ、トンネル、濡れた路面、上から落ちてくる水など集団の中で緊張しながら安全第一で進行。
調子悪くない。集団もばらけてマイペースで進みつつ先行者を見つけてはゆっくりパスして行く。

すでに明るく、周囲の景観は圧巻。ブルべなら迷わず停まってシャッターを切るのだが、レースだしそれが出来ないのが残念。
速く走ろうとすればきついけど、無理しないペースならブルべで山越えしていると思えばそうでもない。
だいぶ登ったかなと思ってGPSを見るとまだ800mを少し超えたところ。
まださらに2400mも登るのかと思い、もう見ないことにしたw。

調子変わらず、前後の人もまばらになり気分もムードもまさにブルべ。
まったく焦る気持ちも起きず、実にブルべなヒルクライムを楽しんでいる自分。
相変わらず目の前に展開する景色は素晴らしい、いちいち形容のしようがない。それ位スバラシイ。

しかし、そんな調子で走れたのも31km位まで。
速度が落ちる。ペースが維持出来ない。特に斜度がきつくなったわけでもない。
もしかしてガス欠?
メントスを食べ始めると空腹感スイッチがON。やーばい。どうにも腹が減った。
補給ポイントが待ち遠しい。

そんなことをしているうちに抜いてきたライダーに抜かれ始める。
ペース落ちを止められないのが悔しい。
そんな中、濡れた落ち葉を踏んだのか後輪がズルっと滑ってストンと尻餅ついて落車。
登りでスピードが出ていないのが幸い、立ちゴケに等しい。
面倒なのでそのまま座り込んで休憩。
Are you OK?と何人か声をかけてくれてパスしていく。手を振って大丈夫をアピール。

審判車が通りかかり、同じように声がけをしてくれる。
路面も乾いてきたので、前後のハネンダーを外し、ゴールまで運んでくれないかと頼んでみる。
快く受けてくれて再スタート。
登りのスタートで、サドルを押してくれる。
なんと、優しい。
頑張らんわけにはいかない。

じきに待ちに待った最初の補給ポイント(33km地点)。
で、バナナは?
と聞くが、ここは給水のみで食べ物はないと言う。
マジ?失意のどん底。まあ、自分が悪いだけど。
仕方ないので、ポカリ?みたいなスポーツドリンクを飲んで先を急ぐ。

よろよろと次の補給ポイント(50.4km地点)へ向かう。
その区間どうやって走ったか記憶がないが、かなり弱々な状態だったことは間違いない。
ある意味我慢の走り。
次の補給ポイント到着はゴールしたように嬉しかった。
自転車を停車しているバスに立てかけてバナナに向かう。もうバナナしか見えてない。慌てて2つほど口に入れ、数本抱えて駐車場の端に腰掛けて改めてゆっくり戴く。
あーやっちゃったなぁ、ハンガーノック。
ここまで持つと思ったけど、全然だったなぁ。
…などと半分ボーっとしたアタマで反省。

バナナを食べ終え、次はパンが入っているらしき箱へ向かう。
立ったまま数個食べたあと数個抱えてもといた場所へ。
水で流し込みつつ食べきれなかった分をポケットへいれてようやく再スタート、こんな風に休んでいるのは自分一人。あとは脚が攣ったのかマッサージを受けているライダー一名のみ。
まあ、レースだもんねw。
補給している人だってほとんどは止まらずにスピードダウンして補給食を受け取るとそのままダンシングで進んで行く。
ああ、やっぱりブルべじゃないんだなコレ。

精神的虚脱状態から抜け出てやや正気が戻ってきたので再び自転車にまたがり出発。(つづく)






写真は中華民國自行車騎士協會の許可を得て転載しています。
オリジナルの写真は http://bit.ly/t2d9wW